天声人语 20121025 因言获罪
因言获罪2012-10-25
「知る者は言わず、言う者は知らず」という。物事を深く理解する人は軽々に語らない、との戒めだ。世の地震学者は今、この言葉を呪文のように唱えていよう。
有这样一句格言:“知者不言,言者不知”。这句格言的意思是说越是对事物了解透彻的人越不轻易开口。如今,全世界的地震学家大概都在反复念着这句格言,如同念咒语一般。
3年前にイタリアで起きた地震で、直前に「安全宣言」を出した学者ら7人に、禁錮6年の判決が下った。危険を十分に知らせず、被害を広げた過失致死傷罪。求刑の4年を上回る厳罰である。
日前,7名学者被法院判决入狱6年。这7名学者在3年前意大利发生地震前不久发布了“安全公告”。他们犯的是没有把危险充分告知民众,导致灾情扩大的过失致人死伤罪。刑期比检方当初要求的4年还长,属于重判。
一帯は当時、群発地震に見舞われ、不安が募っていた。発生6日前、7人は「知る者は語れ」を期待されてリスク検討会に臨む。結論は「大地震の予兆とする根拠なし」、防災局幹部は「安心して家にいていい」と踏み込んだ。遺族会によれば、やれやれと帰宅した中から30人ほどの犠牲者が出た。
地震发生地当时小地震频发,引起民众恐慌。在地震发生6天前,这7名学者出席了大地震发生几率讨论会。人们希望他们“知者放言”。而他们讨论的结论是“没有根据认为最近小地震频发是发生大地震的征兆”。防灾局官员于是向民众发出“可以放心留在家里”的公告。据遇难家属会统计,在听了公告后放心地返回自家的人中有约30人在后来的地震中遇难。
死者309人、被災者6万人の現実は重いが、専門家は実刑に戸惑いを隠さない。山岡耕春(こうしゅん)名大教授は「驚いた。学者の責任を厳しく問えば、自由な発言や本音の議論を妨げる。長期的には住民にも不利益では」と語る。
该地震造成309人死亡,6万人受灾,现实的确非常沉重,然而,专家对学者被判刑一事却存在异议。名古屋大学教授山冈耕春说:“我对这判决感到震惊。如果严格追究学者的责任,会妨碍言论自由以及畅所欲言的讨论。从长远上看对民众是不利的”。
口が災いの元では、学者たちは黙り、万一の備えが綻(ほころ)びかねない。同じ地震国の住人として、科学の手足を縛るような判決には首をかしげる。弁護側は「まるで中世の裁判」と控訴する構えだ。
如果都这样祸从口出的话,学者们很可能就陷入沉默,以防万一。作为同是地震多发国的国民,本人对这种束缚科学手脚的判决深感遗憾。辨方预备上诉,称这次的判决“完全是中世纪的审判”。
福島の原発事故でも、東電や政府の関係者が民事と刑事の双方で訴えられている。被告席の背後にどっかと座る「安全神話」は、一片の安全宣言より罪深い。再び神話に頼ることのないよう、原子力に携わる全員が口を開く時だ。安全に関する限り、沈黙は「禁」である。
围绕福岛核电事故,东京电力及政府相关人员也在民事和刑事上都遭到起诉。稳稳端坐在被告席后面的“安全神话”比一般的安全公告更加罪孽深重。为了防止我们再次依赖神话,现在是所有参与核能事业的人开口说话的时候。唯有在关系到安全的问题上,沉默是“禁”。