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戦後の日本は、福祉国家の確立を目指して社

戦後の日本は、福祉国家の確立を目指して社会保障制度の拡充を進めた。1973年には政府が「福祉元年」の声明を出し、70歳以上の老人に対する医療費を無料とするなど一連の福祉政策を打ち出した。しかし、第一次石油危機以後、深刻な財政危機にみまわれるようになった70年代後半には「福祉見直し」?「日本型福祉社会」論として、個人の自助努力と家族?地域の負担が強調されるようになった。その中で、1982年には老人医療費の一部が有料になり、続いて健康保険の本人1割負担、老齢年金の保険料の引き上げが実施された。1994年には、60歳から支給されてきた年金を2001年度から段階的に65歳からの支給へと年齢を引き上げることが決まった。さらに、1997年の再度の健康保険法の改正によって、本人負担を2割とするなど、患者の負担は一層重くなった。一方、民間企業が福祉の分野に参入し始め、「高福祉」を期待するならば「高負担」が必要だという受益者負担の考え方も強まっている。
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